「なんで直通できないの?」新幹線と在来線、線路幅が違うワケ 150年前の“英国人技師の決断”
- 乗りものニュース |

線路の幅が異なる新幹線と在来線
新幹線と在来線は、レールとレールの間隔、すなわち軌間が異なります。新幹線は1435mmの標準軌、JR在来線の多くや一部私鉄は1067mmの狭軌です。
線路の幅が異なる新幹線と在来線(画像:写真AC)
この軌間が異なると、列車は直通して走れません。なぜ日本は、最初から軌間をそろえて鉄道を整備しなかったのでしょうか。その背景には鉄道黎明期と、その後の高速化の事情があります。
日本で最初の鉄道は、1872(明治5)年に新橋~横浜間で開業しました。このとき選ばれた軌間は、1067mmです。
当時、日本の鉄道建設にはイギリス人技師が深く関わっていました。山が多く平地の限られた日本では、幅の狭い軌間のほうが建設費を抑えやすく、建設を進めやすいと考えられたためだとされています。
こうして日本の鉄道は、狭軌を土台に全国へと広がっていきました。
ところが、線路の幅は鉄道の走り方や車両の大きさにも関わります。一般に、軌間が広いほうが車両を大きくしやすく、高速で走るときにも安定させやすいとされています。そのため明治以降、狭軌のままでよいのか、それとも標準軌に造り替えるべきか、という議論が長く続きました。いわゆる「改軌論争」です。
しかし、すでに全国へ延びた線路をすべて造り替えるには、莫大な費用と時間がかかります。このため、在来線は狭軌のまま使い続ける方針が取られました。
その流れが大きく変わったのが、1964(昭和39)年に開業した東海道新幹線です。高速で安定して走らせることを最優先に考えた結果、新幹線は在来線とは異なる標準軌を採用しました。在来線の常識にとらわれず、高速鉄道にふさわしい線路を一から造ったのです。
実は、この標準軌は新幹線だけのものではありません。首都圏の京急電鉄や京成電鉄、都営浅草線、関西の阪急電鉄や阪神電鉄など、新幹線と同じ1435mmを使う在来鉄道は各地にあります。普段乗っている通勤電車が、新幹線と同じ幅の線路を走っていることもあるのです。
ただし、軌間が違うと、新幹線と在来線はそのままでは同じ線路を行き来できません。そこで生まれたのが、在来線の線路を標準軌に造り替え、新幹線の車両が乗り入れられるようにした「ミニ新幹線」です。山形新幹線や秋田新幹線がこれにあたり、東京から在来線区間まで乗り換えなしで結んでいます。
普段意識することのない線路の幅には、明治の判断から新幹線の挑戦まで、150年を超える鉄道の歩みが刻まれているのです。
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