「つい飲み過ぎちゃう」の声…夏に「コーヒー」飲むと脱水招く? 専門医に聞いてわかった“意外な事実”
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夏に勤務先やカフェなどでアイスコーヒーをよく飲む人は少なくないと思います。暑さを避けるためなのか、カフェに行くと多くの人で賑わっていることも珍しくありません。ところで、コーヒーはカフェインを含むため、利尿作用がありますが、SNS上では「夏のアイスコーヒーがやめられない」「ついアイスコーヒーを飲み過ぎちゃう」「お茶とコーヒーばかりで水全然飲んでない。脱水症状になるのかな?」という内容の声が上がっています。
気温が高い時期にコーヒーを飲んだ場合、脱水を引き起こす可能性はあるのでしょうか。池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院(東京都豊島区)院長で、総合内科専門医、消化器病専門医の柏木宏幸さんに聞きました。
適量であれば体に影響なし
Q.そもそも脱水になった場合、体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。例えば、消化器官に悪影響を及ぼす可能性はあるのでしょうか。
柏木さん「脱水という状態は、体内の水分が不足している状態です。成人の体内水分量は全体重の60%程度です。新生児では80%ですが、高齢者では50%であり、年代が上がるにつれ、体内水分量は低下する傾向にあります。そのため、高齢者は脱水になりやすくなります。
脱水症状としては、最初に喉の渇きを自覚します。喉の渇きを自覚した時点ではすでに脱水となっているため、自覚する前に小まめに水分を摂取するのをお勧めします。
水分が失われると食欲不振や疲れ、そしてさらに進行すると、頭痛や吐き気、立ちくらみ、ふらつきが見られ、悪化するとけいれんや失神などの症状が起こることもあります。
脱水になると尿量が少なくなり、尿が濃くなりますが、最終的には尿が完全に出なくなります。脱水が重度になると意識障害や多臓器不全、重度の血圧低下など致命的な状況となるため、注意が必要です。
消化管への影響としては、脱水に伴う血流低下によって、胃腸の血流が悪くなることから胃腸の動きが鈍くなります。その結果、食べ物の停滞が起こり胃もたれや腹部膨満症状、逆流性食道炎の原因にもなります。また腸管の動きの低下と水分不足により便秘になります。脱水による電解質の乱れや、胃腸の動きが悪くなることで、吐き気や嘔吐(おうと)を起こすこともあります」
Q.気温が高い時期にコーヒーを飲んだ場合、脱水を引き起こすリスクが高まる可能性はあるのでしょうか。それとも水分摂取になるのでしょうか。
柏木さん「結論としては、コーヒーだけでは脱水のリスクは高まりません。カフェインによる利尿作用が脱水のリスクと思われそうですが、実際にはカフェインを含む飲料では体が吸収すべき水分は吸収し、不要な水分や塩分が利尿作用で排出されます。そのため、コーヒーを飲むと水分補給になります。
2014年に英国で行われた研究でも、適度なコーヒーの摂取は脱水症を引き起こさないという結果でした。この研究では1日4杯(800ミリリットル)のコーヒーを2週間飲み続けても、体内の水分バランスに影響がなかったことが報告されています。特に日常的にコーヒーを飲む人はカフェインにも耐性が起こり、より影響は少ないと考えます。
ただし、気温が高いということで、普段以上に発汗し水分が失われている状況では、熱中症対策としてミネラル・糖質が含まれたスポーツドリンクや、ミネラルを含む麦茶など、水分を吸収しやすい飲料水の方がお勧めです。また、空腹時にコーヒーを飲むと胃腸に負担がかかることもあるため、注意が必要です。
このほか、カフェインに関しては、短時間で過剰に摂取するとカフェイン中毒のリスクがあります。カフェインを過剰摂取すると頭痛や吐き気、不眠、イライラ、不安、心拍数の増加、おなかの不調などにつながります。
米国食品医薬品局(FDA)はカフェインの摂取量について、1日400ミリグラム以内であれば体に悪影響はないと公表しております。カフェイン400ミリグラムはコーヒー4~5杯分に相当します。一度に大量に飲まなければ問題ありません」
Q.もしコーヒーを飲んだ場合、その分、他の飲み物を摂取した方がよいのでしょうか。
柏木さん「基本的にはコーヒーを適量摂取するのであれば、水分補給に有効であると考えられます。1日4杯(800ミリリットル)以内であれば、脱水のリスクにはならず、水分補給としても有用と考えます。
ただし、尿量がいつもより多く、尿が濃くなるような場合(濃い黄色、茶色)には脱水のリスクを考慮し、水を摂取するのが望ましいです。その場合は、コーヒーの摂取量と同量、例えばコーヒー100ミリリットルにつき、水分100ミリリットルを摂取する形で良いと思います。
コーヒーは食後に服用することで胃腸の負担軽減、腸の動きを助け、消化に良い機能をもたらします。しかし、過剰に摂取すると胃酸分泌を促進させ、かえって胃に負担がかかることもあります。先述のように空腹時の摂取は避けた方が良いでしょう。胃が悪い人には、カフェインが少なめのコーヒーや、カフェインレスのコーヒーを勧めます」
Q.脱水時にはどのような飲み物を摂取すべきなのでしょうか。
柏木さん「脱水時には、水分が吸収されやすい飲料が勧められます。脱水症状や胃腸炎症状などの症状がある人に対しては、まず経口補水液を飲むのを勧めています。世界保健機関(WHO)も脱水時に経口補水液を飲むよう、推奨しており、経口補水液は、脱水症の人や胃腸炎症状の人に勧められる飲み物です。
経口補水液には電解質や糖分が適切なバランスで含まれており、腸管からの水分吸収が非常に効率的であることから、病院では点滴の代用品としても使用されます。ただし、ナトリウムやカリウムがスポーツドリンクの3~4倍含まれているため、脱水状態でない健康な人が水分補給として飲むのには向いていません。
また持病によりナトリウムやカリウム、糖質の摂取制限をしている人は、過剰摂取につながることがあるため、どうしても経口補水液を飲みたい場合は主治医に相談するのをお勧めします。
脱水時に経口補水液がない場合、私はスポーツドリンクを勧めております。電解質と糖分を含み、運動後や発汗時の水分補給に適しているからです。ただし糖分が多いため、日常的な摂取は控えるのをお勧めします。普段からスポーツドリンクを大量に摂取することにより、『ペットボトル症候群』という、急性の糖尿病を起こすこともあるため、注意してください。
他には、ミネラルが豊富という点で麦茶も良いです。ミネラルウオーターも胃腸に負担が少なく、日常の水分補給としては最適です。硬水の方がミネラルは豊富ですが、飲み慣れていない場合はおなかを下してしまうこともあるため、注意してください。
また冷たい飲料を摂取すると胃腸に負担がかかるため、起床時や就寝前に水分を補給する際はさゆや常温水を飲むのを勧めます」
オトナンサー編集部
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