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北朝鮮の平壌に眠る日本製の電車 国交がないのに保存されているワケ

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北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の首都・平壌に日本製の電車が保存されています。日本と北朝鮮の間には国交がなく、人の往来もほぼないような国に、なぜ保存されているのでしょうか。

日本統治時代の朝鮮で走った電車

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の首都・平壌近郊に、日本で製造された電車が1両保存されています。その電車は「デロハニ100形102号」と呼ばれる車両で、日本で言うところの鉄道博物館に相当する「鉄道省革命事績館」に隣接した「革命事績車両館」という建物内に展示されています。

 実はこの車両、日本統治時代の朝鮮で金剛山電気鉄道が使っていた電車なのです。

Large 210305 derohani 01平壌近郊の革命事績車両館に保存されている金剛山電気鉄道の電車、デロハニ100形102号(2001年、伊藤真悟撮影)。

 金剛山電気鉄道は金剛山への観光客輸送を目的とした鉄道です。1939(昭和14)年発刊の『金剛山電気鉄道株式会社廿年史』によると、1924(大正13)年8月1日に鉄原駅(現・大韓民国江原道鉄原郡)と金化駅(同)のあいだ28.8kmで、直流1500V、線路幅(軌間)1435mmの電気鉄道として開業しました。

 しかし、鉄原の変電所に設置するために東京の芝浦製作所(現・東芝)で発送準備中だった発電機が鉄道開業前年の関東大震災で焼失したため変電所から給電ができず、やむなく南満州鉄道から蒸気機関車と客車を借り入れて暫定営業したとのことです。その後、発電機が届いたため1924年10月27日から電車の運転を開始し、1925(大正14)年1月1日をもって電車のみでの本格的な運転を開始しました。

 金剛山電気鉄道はその後、何回かの路線延長を行い、1931(昭和6年)7月1日に内金剛駅(現・朝鮮民主主義人民共和国江原道金剛郡)までの全線が開業、総延長116.6kmの路線となりました。1939年時点で電車14両、客車1両、貨車28両(有蓋車3両、無蓋車25両)を有し、観光客輸送のみならず硫化鉄や重晶石の貨物輸送(電車が貨車をけん引)を行い、年々増加する輸送量に対して同書では「車両の不足を痛感しつつある有様」とも記載しています。金剛山観光の最盛期には朝鮮総督府鉄道からの客車も乗り入れも行っていました。

デロハニ100形電車が保存されている理由

 順調に輸送量を伸ばした金剛山電気鉄道でしたが、太平洋戦争勃発に伴い、1942(昭和17)年に京城電気と合併。1944(昭和19)年には昌道(現・朝鮮民主主義人民共和国江原道金化郡)~内金剛間が休止となっています。太平洋戦争後は鉄原~昌道間の運行が北朝鮮側で再開しましたが(鉄原郡は太平洋戦争後にソビエト連邦軍の管理下に置かれた)、1950(昭和25)年からの朝鮮戦争で甚大な被害を受け、1953(昭和28)年7月27日の朝鮮戦争休戦協定後に路線が韓国側と北朝鮮側に分断となり、いつしか廃止となりました。

 デロハニ100形電車は、全線開業直前の1931年6月に日本車輌製造が製造した車体長19mの両運転台の電車です。2等室(現在のJRのグリーン車に相当)と3等室(普通車に相当)、手荷物室を設置した合造車で、2等室は2+2人掛けのボックスシートで座席定員16人、3等室は2+3人掛け(車端部は2人掛け)のボックスシートで座席定員は54人(立席7人)です。保存されているデロハニ100形102号の車内を見ると、2等室の座席は3等室よりシートピッチが広く、通路側にひじ掛けがあるほか、テーブルも備わっています。

Large 210305 derohani 02金剛山電気鉄道デロハニ100形102号の台車の軸受け部分には日本車輌製造のマークが残る(赤矢印部)(2001年、伊藤真悟撮影)。

 では、なぜ国交がない北朝鮮にデロハニ100形102号が保存されているのでしょうか。その理由は、1949(昭和24)年10月に金日成(キム・イルソン)氏と金正日(キム・ジョンイル)氏が乗車したということからです。そのため乗車した座席とテーブルには白い布カバーが掛けられています(2001年撮影時。その後外された模様)。

 デロハニ100形102号は唯一残る金剛山電気鉄道の車両と言われています。その貴重な日本製の車両が北朝鮮で保存されているというのは、なんとも不思議な感じがします。

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