2ヶ月の育休後も「自分が特別やっている感覚は正直ありません」当たり前に子育てする令和のパパ像を体現
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育児休業を経験し、子育てに奮闘しているパパの声を聞いていくインタビュー連載。今回はベビー用紙おむつ「ムーニー」「マミーポコパンツ」などでもパパママ世代にお馴染みのユニ・チャームでマーケターとして働くパパが登場。2カ月間の男性育休と現在の育児、自身の経験を活かした仕事に関するお話を聞きました。
パパが2カ月の育休を取得した力丸さんファミリー
今回のパパ
力丸勇悟さん/31歳/ユニ・チャーム株式会社 グローバル ベビーケア マーケティング本部 ジャパン ブランド マネジメント部所属 マーケティング担当者
●ご家族
妻:紗耶花さん/33歳/派遣社員・事務職
長女:慶くん/2歳
※ご家族の名前は仮名です。
●力丸家のパパ育休
2022年8月に長男が誕生。出産後すぐからおよそ2カ月間の育児休業を取得した。現在はパートナーの紗耶花さんも職場に復帰。勇悟さんは週に2〜3日のリモート勤務を交えながら、仕事と育児を両立している。
勇悟さんの在宅勤務の日のタイムスケジュール(現在)
■「男性育休を取ることは特別なことではない」。それがユニ・チャームの企業文化
――勇悟さんが育児休業を取得したきっかけを教えてください。
勇悟さん ベビー用紙おむつなどの商品も取り扱う企業の社員として、自分自身が子どもと家族に精一杯向き合う時間を取りたいと考えたからです。ユニ・チャームは2019年に「男性育休100%」宣言(※株式会社ワークライフ・バランスが提唱している男性社員の育休が普及する職場づくりを目指す取り組み)に賛同していて、社内の職場環境において「男性社員も積極的に育休を取りましょう」と推奨されていました。そのため、私の中では育休は必ず取得するものだと考えていました。また、同じ部署の先輩も私と同じくらいの時期に、約2カ月の育休を取得していました。
――勇悟さんの育休期間もおよそ2カ月だと聞いていますが、期間はどのように決めましたか?
勇悟さん 夫婦で話し合って決めました。初めての子育てで実際どのような生活になるのか不安でしたし、子どもとしっかり向き合うにはある程度の時間が必要だと考えました。そう思うと、2カ月くらいあればちょうどいいのではと思い、上司に相談しました。
――上司に育休取得の意思を伝えたのはいつでしたか? またどのような反応でしたか?
勇悟さん 妻が安定期に入ってから上司に伝えました。先ほどお伝えしたように会社が男性育休の取得を推奨しており、社内全体で「育休をとることは特別なことではない」という風土があるため、安心して申請できました。また、上司からも「仕事の方はしっかり休んで、育児に専念するように!」と非常に前向きな返答をもらえました。同僚にはお子さんがいる人もいて「赤ちゃんが生まれて最初の期間にしっかりと夫婦で育児に向き合っておくことはとてもよいことだよ」と励ましの言葉をかけてもらいました。関係部署や取引先にも事前に事情を説明し、理解してもらうことができたので良かったです。
――業務の引き継ぎは具体的にどのように進めましたか?
勇悟さん 引き継いでくれた後輩とは普段から仕事を一緒に進めていたため、育休取得にあたり大きな問題や未知の状況が生じることはありませんでした。そのため、通常業務を進める中で徐々に伝えていくことが多かったですが、案件によっては細々とした作業があったり、詳細な手順を踏まないといけない案件もあったりしたので、そうした業務については、育児休業開始の約1カ月半前からまとめて伝えるようにしました。会社全体として引き継ぎが円滑に行える体制が整っていたこともあり、大きな不安はとくに感じることはありませんでした。
「育児グッズを入れるバッグは妻と共有。紙おむつやおしりふき、もしものときの着替え、飲み物、お菓子などたくさん入れるものがあるので大きい方が安心です」(勇悟さん)
■ムーニーちゃんのおやすみトントンの音楽をリピート再生しながら寝かしつけ
――育休中はどんなふうに過ごしていましたか?
勇悟さん 出産後の女性の体は交通事故に遭遇した状態に匹敵すると聞いていたため、妻がなるべく動かなくても済むように、授乳以外の家事・育児はほぼすべて私がしていました。1カ月が経つと妻も外出できるようにもなり、少しずつ動けることが増えてきたので、育休終了を見据えて家事・育児の割合を調整し、最終的には夫婦で半分ずつ分担できるようにしていきました。
――勇悟さんはもともと家事が得意な方でしたか?
勇悟さん やる気はありました(笑)! ただ産前は妻に甘えていた部分も多かったと思います。例えば料理は、私が作ることもありましたが、基本は調理だけで栄養バランスを考えた献立作りや、献立をもとにして買い物をするなどはほとんど経験がなかったんです。しかし、育休期間は私が正式に料理担当になったので、事前準備の部分も含めて受け持つようになりました。育休は家事のスキルアップをはかるのによい機会でしたし、妻も私のできる家事の幅が広がったことを喜んでくれました。
――赤ちゃんが生まれてしばらくは夜中も頻繁に起きてお世話する必要があったかと思いますが、どうされていましたか?
勇悟さん 夫婦でシフト制にしていました。夜23時までに子どもが起きたときは妻が対応し、私は夜が強いため深夜担当でした。夜中の2時や3時に子どもが起きた際は私が抱っこしてあやし、妻には休んでもらうようにしていました。
――赤ちゃんはよく寝てくれましたか?
勇悟さん スムーズには寝ない赤ちゃんでしたね(苦笑)。なかなか眠りにつかないことが多く、リビングでずっと抱っこし続けていたこともありました。その際、当社が提供している「チーム ムーニー」というスマホアプリ内の子守歌動画コンテンツを、リピート再生し活用しました。これがとても助けになったことが、今ではよい思い出です。
「子どもが大好きな絵本と図鑑。読むたびに笑顔を見せてくれます。左は専用ペンでタッチすると読み上げてくれるので、この本で言葉を学んでいます!」(勇悟さん)
■離乳食のフリージングストック作りはパパが担当
――現在はどのように家事・育児と仕事のバランスをとっていますか?
勇悟さん 部屋、お風呂、トイレなどの掃除全般は基本的に私が担当しています。一方で、料理は妻が得意で楽しんでやってくれることが多いのでおまかせしています。ただし、休日に妻が疲れているときは、私が作ることもあります。
――離乳食~幼児食は、大人と子どもで違うものを作らなければいけないので、大変ですよね。
勇悟さん そうですね。離乳食が始まった当初は、私が離乳食を作って冷凍ストックしていました。野菜を圧力鍋で煮て潰したり、野菜の煮汁を出汁として別の容器に移してフリージングしたりしていましたね。バランスのよい献立になるよう気をつけつつ、必ず食べてくれるメニューも1つ以上入れるように考えるのが特に大変でした。頭の中だけで考えると混乱してしまうので、整理するためにホワイトボードに月曜日から金曜日までの5日分、朝昼晩3食のメニューを書き出し、それを見てストックを電子レンジで解凍すればいいだけにしていました。
――それは素晴らしいですね! 仕事が忙しい中、家事・育児をしっかりされているんですね。
勇悟さん でも周囲の話を聞くと、他のパパさんたちはみんな率先して育児をしているんですよ。妻の友人に子どもと同じくらいのお子さんがいる家庭が多く、家族ぐるみで交流があるのですが、どの家庭もパパが積極的に関わっているので、これくらい当たり前なのだと思います。ですから、私が特別やっているという感覚は正直ありません。
――皆さん素晴らしい! 家事・育児の分担に関して、育休から復帰するタイミングで夫婦の話し合いを持ちましたか?
勇悟さん はい、私が育休から復帰するタイミングと、妻が育休から復帰するタイミングで、家事・育児・仕事の役割分担を改めて話し合いました。お互いが無理なく生活できるように、特に平日の朝夕の流れを整理し、分担を細かく調整しました。ただ仕事の忙しさなどは常に一定ではないため、状況に応じて柔軟に対応しています。週に一度は夫婦で進捗を確認し合い、必要に応じて役割を調整するようにしています。
「週一の進捗確認」と表現すると、まるで仕事のように受け取られるかもしれませんが、要は夫婦間で定期的な話し合いの場を設けることです。我が家では、私も妻もお酒を飲むことが好きなので、休日の夜にお酒を飲みながら話し合う時間を設けています。このように夫婦間のコミュニケーションを意識的に取ることで、子どもが生まれてからは互いに感謝する気持ちを伝える機会が増え、夫婦の関係性はさらによくなったと感じています。
「私が在宅の日の寝かしつけは、夫婦揃って行います。どちらかが寝落ちしてしまった場合は、もう一方が必ず起こすようにしています。また、寝室を出たあとはベビーカメラ(写真)を活用し、子どもがベッドから落ちてないか、寝苦しそうにしていないかを確認できるので、安心して見守ることができます」(勇悟さん)
■育児経験が普段の仕事に活かされている!
――勇悟さんは育休から復帰後、社内で紙おむつなどベビー向け商品のチームに異動し、現在も関わっていると伺っています。異動はご自身の希望だったのですか?
勇悟さん ベビー向けを特定して希望したわけではありません。ただ、育休前後に在籍していたチームでは約3年経験を積んだことから、一つのチームにとどまらず、複数のチームを経験することで自分の成長を図りたいと思い、異動を希望しました。フェミニンケア用品やウェルネスケア用品など、さまざまな商品がある中で、結果的にベビー向け商品の担当となり、自分の子育て中という背景も活かせる点で、とてもよい異動だったと思います。
――育休や普段の育児が仕事に役立っていると感じますか?
勇悟さん 現在進行形で育児をしていることは、お客様である親御さんの気持ちに寄り添った商品開発やマーケティング戦略に直結していると思います。
たとえば、弊社の「ムーニーナチュラル」「ムーニー」の新生児用とSサイズのテープ型紙おむつには、赤ちゃんがおしっこをすると、「ありがとう」や「だいすき」などのメッセージが浮かび上がる機能があります。この機能の存在はもちろん以前から知っていたのですが、私が親になった今、すごく嬉しい機能であることを実感しました。
新生児サイズやSサイズを使う時期の赤ちゃんは喋れないんですよね。一方で親は、自分の育児が正しいかどうかわからず、不安や葛藤の強い時期だと思います。そんな中、ポジティブなメッセージが浮かび上がることで、赤ちゃんとまるで会話しているような気持ちになり、私自身とても嬉しく感じました。この“Happyお知らせサイン”機能はリリース後にお客様から大きな反響があり、現在ではメッセージの種類も4種類に増えています。
――育児の当事者の立場だからこそわかることがありますね。
勇悟さん そうですね。仕事でお客様に商品や育児に関するインタビューを行う機会がありますが、言語で表現しきれない困りごとを探る必要性を強く感じています。そのような背景や感情の裏側は、やはり育児経験がないと理解が難しい部分もあります。自分自身が育児を経験していることは、こうした場面で大きな強みだと思っています。
また、先ほどお話したような家族ぐるみでお付き合いのあるママ友やパパ友から、リアルな口コミ情報や商品に対する生の声を聞けることも大きな財産です。これらの意見をヒントに、新たなマーケティング戦略を考えるきっかけにもなっています!
「子どもが保育園で季節に合わせて工作をつくって持って帰ってくれます。(写真)これは子どもの手形が押されていて、その大きさに成長を実感しました」(勇悟さん)
■パパ育児の日は、数日前から下準備を始める
――男性育休の経験を通じて、自信がついたことはありますか?
勇悟さん 子どもの変化やニーズを見極められるようになったことです。四六時中一緒にいたことで、子どもが何を求めているのか、どういうときに不安を感じるのかが少しずつ理解できるようになりました。その結果、適切なタイミングでケアやサポートができるようになりました。また、 “夫婦2人で一緒に育児を始めた”という気持ちがともに強いため、子どもに関する情報はどんな小さなことでも夫婦間で共有しています。その積み重ねが自然と知識を広げ、自信を持って対応できるようになり、いい循環を日々実感しています。
――お子さんを見るのはパパ育児の日でも大丈夫ですか?
勇悟さん 大丈夫です。私も職場の同僚と飲みに出かける機会などがありますが、妻にも友人と会うなどの自分時間を大切にしてもらうようにしています。妻が出かけるときは、私一人で子どもの世話をしています。
――お子さんは2歳でイヤイヤ期の真っ最中だと思いますが、「パパイヤ!」なんてことは?
勇悟さん 私に懐いてくれていますが、ママとパパが両方いると、ママに負けてしまうところは正直ありますね。なので、ママが出かける予定がある場合は、その数日前からパパと一緒に遊ぶ時間をたくさん作って、「パパ好きモード」に持っていくようにしています(笑)
――計画的に進めていくんですね!
勇悟さん はい。体を使った遊びなどは私のほうが対応しやすいので、子どもと一緒にたくさん体を動かして遊びます。「パパといると楽しい」と思ってもらえるようにしています。
――最後にこれから育休を検討しているご夫婦にメッセージをお願いします。
勇悟さん 出産や育休は人生の大きな節目であり、家族全員にとって成長のチャンスだと思います。迷いや不安を感じることもあるかと思いますが、職場や社会のサポートを頼りながら、無理せず進んでください! 育児は楽しい反面、予想外の出来事も多いですが、子どもの成長を一緒に喜べるパートナーとの協力がとても重要です。自分のペースを大切にしつつ、周囲の支援を受けながら前向きに取り組んでいってください!
(取材・文:江原めぐみ、イラスト:ぺぷり)
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