秋田新幹線「新トンネル」工期延びそう…? 東京まで7分時短も、それ以上の効果とは
- 乗りものニュース |
秋田・岩手県境「新仙岩トンネル」です。
事業費などは6年前にも算出
秋田県の交通政策課は2024年11月末、秋田新幹線(田沢湖線)の赤渕~田沢湖間で計画している新仙岩トンネルについて、JR東日本から示された事業費などの再算出の結果を公表しました。前回は2018(平成30)年に算出されています。
仙岩峠付近を行く秋田新幹線(画像:写真AC)。
これによると、事業費は約1000億円、工期は着工から約15年を要するとのこと。前回はそれぞれ約700億円、11年と見積もられていました。調査は2021年10月から2024年3月まで、ボーリングや振動を与える弾性波探査によって行われ、結果、地盤の強度が低い箇所と高い箇所が混在すると確認されました。
JR東日本は「大幅な計画変更の必要性は認められなかったものの、物価高騰や働き方改革の影響により事業費が増加し、工期も延伸せざるを得ない。当社単独での整備は経営への影響が大きいため、整備・保有主体のあり方を含め、県との連携をお願いしたい」としています。
これを受け県は「事業費や工期について内容を精査するとともに、JR東日本の費用負担額とその考え方を確認した上で、事業スキームなどの検討を行う。また、県、整備促進期成同盟会およびJR東日本秋田支社で締結した連携協定に基づき、トンネル整備の効果を最大限に高める取り組みを推進していくとともに、国に対しては、こうした整備効果を示しながら、支援の具体化に向けた働きかけを強めていく」としています。
新仙岩トンネルの計画延長は約15kmです。秋田・岩手県境に位置しており、現行の線路は大雨や大雪などの影響を受けやすいという課題があります。県とJR東日本は2017(平成29)年11月以降、新トンネルの整備早期実現に向け、国へ対し予算措置などを求める要望を行ってきました。2021年には、トンネル整備計画の推進に関する覚書を締結しています。
晴れてトンネルが開通すれば、秋田新幹線の所要時間が約7分短縮され、特に荒天時の安定運行も実現する見込みです。東京~秋田間の所要時間は最速3時間30分となります。
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