「クルミはダイエット中にオススメ」は本当⁉️ 1日の目安と食べすぎで発生するリスク
- マイナビウーマン |

近年さまざまな研究が行われているクルミは、健康面や美容面で注目を浴びています。意識的にクルミを食べている人も増えているのではないでしょうか。そこで気になるのが食べ過ぎていないかですよね。身体に良いといわれているクルミは1日にどれぐらい食べてもいいものか、クルミに含まれる注目の成分も一緒にご紹介します。
この記事の執筆者
茅野陽 先生(管理栄養士/母子栄養指導士)
保育園栄養士として、離乳食、幼児食、アレルギー食に携わる。
子どもの食事に悩むママのために自身の子育て経験も踏まえ、保護者にも負担にならないようなアドバイス、レシピ提案を行っている。管理栄養士として離乳食相談やコラム執筆、原稿執筆なども行っている。
この記事の監修者
川口由美子 先生(管理栄養士/母子栄養指導士)
一般社団法人母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師。大学時に小児栄養学を学んだのち、育児用品メーカーでベビーフード開発を経て栄養相談、離乳食レシピ執筆、講演会に携わる。2児の母。現在は、母子栄養協会にて離乳食アドバイザー®他、専門家を養成している。
◆一般社団法人母子栄養協会HP
クルミを食べ過ぎるとどうなる?
パン作りやお菓子作りによく用いられるクルミ(くるみ)は美容や健康に良いといわれますが、たくさん食べてしまった場合のリスクにはどのようなものがあるでしょうか。
太る可能性がある
ナッツ類であるクルミは成分の約68%が脂質でできており、エネルギー(カロリー)も多い食品です[*1]。クルミ1粒(3~4g)で20~30kcalあります。何粒も食べてしまいがちですが、10粒食べたら200~300kcalほどに。そのため毎日たくさん摂取していると体重増加につながりかねません。
便秘や下痢になるかもしれない
クルミには不溶性食物繊維や脂質が豊富に含まれますが、それらをとり過ぎると便秘や下痢になってしまう場合も。
不溶性食物繊維は便のカサを増やす作用があるため便秘の改善に効果がありますが、とり過ぎると便が硬くなり、かえって便秘になる可能性があります。また、脂質の摂り過ぎは人によっては消化不良を引き起こして、下痢になることが考えられます。
クルミは1日どのくらい食べていい?
クルミはデスクワークの傍らでずっとつまんでしまったり、お酒のおつまみで長時間食べてしまったりすることもあり、気づいたらたくさん食べていることもあるかもしれませんね。1日どれくらい食べてもよいのか適量をご紹介します。
適量の目安|1日ひとつかみ程度
毎日食べるなら、ひとつかみ程度(約30g)が適量でしょう。クルミにはオメガ3脂肪酸という成分が含まれており、成人男性で1日2.0~2.2g、成人女性で1日1.6~2.0gを摂取したほうがよいとされています[*2]。だいたいクルミ30g(30粒程度)でこの量をとることができます。
食べ方のコツ|よく噛む
食べ過ぎると太る可能性があるクルミですが、上手に食べるポイントがあります。それはよく噛むことです。
クルミのような硬いナッツ類は自然と噛む回数が増えますが、そのメリットとして、満腹中枢が刺激されやすいため満足感も得やすいという点があります。自分でも意識してクルミをよく噛んで食べるとよいでしょう。ダイエット中に小腹が空いてしまった時の間食にも適しているといえますね。
クルミの栄養のポイント
スーパーフードとして扱われているクルミ。その効果を主に担っているのがオメガ3脂肪酸です。どのようなメリットがあるのでしょうか?
オメガ3脂肪酸の効果|中性脂肪を減らす
クルミには、健康に良いと注目を浴びているオメガ3脂肪酸が100g中に約9gと、ナッツ類の中でも最も多く含まれています[*1]。
オメガ3脂肪酸に期待されている効果が中性脂肪を減らすことです。中性脂肪は動脈硬化などの要因にもなるため、体の中で増えすぎないように心がけたいものです。暴飲暴食に気を付けるとともに、できたら油の質も意識しましょう。
また、こうした体への作用だけでなく、オメガ3脂肪酸は不安など精神的な症状を落ち着ける効果も研究されており[*3]、たとえば、ダイエット時のイライラやストレスによる暴飲暴食を防いでくれることが期待できます。
オメガ3脂肪酸は酸化しやすく熱に弱いという特徴があるため、炒め物や揚げ物ではなく、おやつにそのまま食べたり、サラダのトッピングにしたりするのがおすすめですよ。
オメガ3脂肪酸とは
オメガ3脂肪酸とは脂肪を構成する要素の一種です。種類がいくつかに分けられますが、クルミに含まれるのはα-リノレン酸というオメガ3脂肪酸になります。このほか、マグロ、イワシ、ブリ、サバ、サンマといった青魚の脂肪分に多く含まれるDHA、EPAもオメガ3脂肪酸の仲間です。これらの脂肪酸は体内で合成できず、欠乏すると皮膚炎などが発症するとされます[*2]。摂取目安量(成人男性で1日2.0~2.2g、成人女性で1日1.6~2.0g)を意識して毎日の食事からとっていきましょう。
管理栄養士コメント「クルミを食べれば食べた分だけオメガ3脂肪酸の効果が得られるということではないので、青魚などその他の食品からもとっていけるといいですね。」
脂質以外にも色々な栄養素がとれる
クルミにはオメガ3脂肪酸以外にもたんぱく質、種々のビタミンやミネラル、食物繊維など体に良い成分がぎゅっと詰まっています。
たとえばミネラルの1つである亜鉛も豊富ですが、亜鉛には細胞の新生を促進させる働きがあるため、肌の新陳代謝を促す美肌効果が期待できます。またビタミン類では、脳神経の働きを助け記憶力の向上に役立つとされるナイアシンも含まれています[*4]。
クルミに含まれる不溶性食物繊維は、過剰に摂取しなければ便秘の改善や予防に効果があります。不溶性食物繊維を活かすためには、善玉菌を増やしたり便を軟らかくする作用のある水溶性食物繊維も一緒にとるようにするのがポイントです。
妊娠中はどうしたらいい?
妊娠中はお腹の中の赤ちゃんのことを考え、さまざまな食品をバランス良く食べることが重要です。なかには注意が必要な食べ物もありますが、クルミはどうなのでしょうか?
クルミは妊娠中もおすすめ
クルミは鉄や葉酸などのミネラル類もバランスよく含まれているので、食べる量さえ気をつければ妊娠期にもおすすめです。妊娠中は便秘が悩みになることもあるため、食物繊維がとれるのもうれしいですね。
また、オメガ3脂肪酸を妊娠中に摂取することで、赤ちゃんが生まれたあとのお母さんの精神面に良い影響を与える可能性があるとする研究結果もあります[*5]。
クルミを食べる際に気をつけたいこと
食べ過ぎ以外にクルミを食べるときに気を付けたいポイントもあります。
子どもには特別な注意が必要
■5歳以下の子どもにはあげないこと
小さなお子さんの場合、クルミは硬いためよく噛めずに塊のまま喉に詰まって窒息する危険があります。たとえ小さく砕いたとしても、気管に入り込んで肺炎や気管支炎になる場合もあるため、お子さんにはとてもリスクの高い食べ物です。
こうしたリスクから消費者庁では、5歳以下の子どもには硬い豆やナッツ類食べさせないように注意喚起しています。クルミだけでなく、その他のナッツや硬い豆は重大な事故を招く場合があるため、あげないようにしましょう[*6]。
■アレルギーにも注意して
クルミで食物アレルギーを発症する場合もあります。他のナッツ類が大丈夫だからといってクルミのアレルギーがないとは言い切れません。初めて食べるときには注意したほうがいいでしょう[*7]。
咀嚼が弱っている人も注意
大人の場合でも、高齢の方など咀嚼が弱ってきている人が硬いナッツや豆類を食べることには注意が必要となります。ふとした瞬間にのどにつまったり、小さく砕いた場合でも気管支炎になったりと、事故につながる恐れがあるので気をつけましょう。
塩や砂糖で味付けされたクルミ
ヘルシーフードとして人気の高まっているクルミは、商品のバリエーションも増えています。スナックとして食べやすいよう、塩や油を添加しているものや、砂糖やはちみつ、チョコレートでコーティングされているものもあります。おいしいですが、こうしたものはクルミ単体よりもカロリーが高かったり、知らずに塩分をとり過ぎてしまうことがあるので、注意してくださいね。
まとめ
ナッツ類の中でも特にクルミにはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、クルミひとつかみ程度で1日に必要なオメガ3脂肪酸をとることができます。クルミは栄養素をバランス良く含んでいるのでダイエット中の方にもおすすめです。ぜひ、普段の食事にクルミを取り入れてみてくださいね。
(文:茅野 陽 先生/監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
参考文献
[*1]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
[*2]厚生労働省:日本人の食事摂取基準2020年版
[*3]国立がん研究センター:オメガ3系脂肪酸の摂取による不安症状の軽減をメタアナリシスで確認
[*4]田企世子・松田早苗『からだにおいしいあたらしい栄養学』高橋書店
[*5] 富山大学:妊娠中のオメガ 3 系脂肪酸摂取量と出産後の不適切養育行動の軽減:エコチル調査
[*6]消費者庁:Vol.540 もうすぐ節分。硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないで!
[*7]日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会『食物アレルギー診療ガイドライン2021』協和企画
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