どうせ読むならポイント貯めない?

森法相提出で話題 「進退伺」は辞表や退職願と何が違う? 会社はどう対応?

25,946 YOU
  • オトナンサー
  • |
森雅子法相(2020年5月、時事)
森雅子法相(2020年5月、時事)

 東京高検検事長だった黒川弘務氏が賭けマージャン問題で辞職したことを巡り、森雅子法相が5月21日、「進退伺」を安倍晋三首相に提出したことが話題になりました。森法相は「安倍首相に強く慰留された」として大臣の職にとどまりましたが、ネット上では「辞表を出すべきだったのでは?」「茶番だ」と批判の声も上がっています。

 この「進退伺」は「辞表」「退職願」と何が違うのでしょうか。キャリアコンサルタントの小野勝弘さんに聞きました。

自己決定の放棄でもある?

Q.「進退伺」とは、どういうものでしょうか。

小野さん「大きなミスを自分がしたり、部下のミスを防げなかったりして、会社や役所など自分が所属する組織に大きな迷惑をかけた人が、『責任の取り方』を上司や組織(会社や役所など)に委任するときに使います」

Q.進退伺と「辞表」「退職願」とは何が違うのでしょうか。

小野さん「進退伺は『責任の取り方を組織(会社など)に委ねる』という意思表示ですが、辞表や退職願は組織に対する『退職や辞職の意思表示』です。

例えば、同じミスをした場合であっても、辞表を提出すれば、『責任を取って辞める』という構図となりますが、進退伺を提出すれば、『責任の取り方は上司や組織』が行うことになります。極端な話、組織が『問題ない』と判断すれば、おとがめなしという構図があり得るのが進退伺であると言えるでしょう。

ただ、私たちキャリアコンサルタントからすると、辞表も退職願も進退伺も自己決定の過程に問題がある場合が多く、あまり良いとは思えません。

辞表や退職願の場合は本当に、組織に大損害を与えるほどのミスと言えるのでしょうか。本人が大きなミスだと思い込んでいるだけの場合もありますし、『上司が怖い』など人間関係におびえて出した判断かもしれません。いずれにせよ、辞表や退職願を出したという事実だけでは、本当にそれが議論が尽くされた後の判断なのかは疑問です。

進退伺の場合は『自分の判断を相手に委ねる』という、自己決定を放棄したとも取れる部分に問題があると思います。上司や組織に投げてしまえば、判断はしてくれるでしょう。しかし、それはあまりにも組織依存になってしまうという危険性も考えておくべきでしょう。

人生の中で訪れるさまざまな転機の中には、組織に所属していない場合や、誰も判断してくれず自分で決めなければならない場合も数多くあります。自分の力で人生を決めていく力をつけるためにも、しっかり自分で考えるべきだと思います」

Q.進退伺には、必ず書くべき事項や書式があるのでしょうか。

小野さん「進退伺は他の人や組織に自分の責任の取り方を決めてもらうものですから、必ず書くべき事項はあります。

一つのコツとしては、自分に責任があるということを『5W2H』を意識して書くとよいでしょう。すなわち、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにやって、どの程度のミスを起こしたかを、正確に記載すべきです。

その上で、心よりの謝罪と、組織に責任の判断を委任する旨を書き添えるとよいでしょう。書式は特にありませんが、インターネットで検索すればテンプレートを見つけることはできます」

進退伺に企業はどう対応?

Q.進退伺を受けた側は通常、どのような対応を取るのでしょうか。「慰留する」「慰留はするが何らかの処分をする」「辞任を求める」「辞職を求める」に分けて、具体的な流れを教えてください。

小野さん「組織によって違いますが企業の場合、基本的には、人事権を持つ人と社長などのトップが就業規則などを考慮しながら、協議の上で決めていることが多いと聞いています。

流れは4パターンのいずれも、会社が出した結論を本人に伝えて終わりです。そもそも、進退伺は責任の取り方の判断を上司・組織に委任しているわけですから、仮に結論に不満があったとしても、それについて異議を申し立てることは相当ではないからです。

それを踏まえて、『伝えて終わり』の進退伺の返事を会社や上司の側から、ワンランク上のコミュニケーションにするためのコツを場合分けしてお伝えします。キャリアコンサルタントとしてお伝えしたいポイントは『相手のこれからのキャリアを共に考える姿勢を持つ』ということです。

(1)慰留する場合
慰留する場合は、今回の失敗をどう生かすかなどの振り返りを上司と共に行いながら、継続的なフォローアップも一緒に伝えることが望ましいでしょう。慰留に応じたとしても、大きなミスは消えません。次につながるプロセスを共に歩めるとよいですね。

(2)慰留はするが何らかの処分をする場合
部下の気持ちの面に深く配慮しましょう。例えば、『処分』という表現ではモチベーションを下げてしまうかもしれません。『未来に向かってやり直すためのコストを負担してほしい』と言い換えた上で、これからの仕事について話していくなどの配慮が大切になるでしょう。

(3)辞任を求める場合(※役職を辞めるが、会社にはとどまる)
辞任を求める場合は、辞任後のポジションについての理解を深めていくといいでしょう。仕事についての理解がないままで辞任させてしまうと、仕事のやり方などについていけず、結局は退職してしまうリスクが考えられます。

(4)辞職を求める場合
辞職を求める場合であっても、次のキャリアに向けての相談などはしっかりと受けるべきです。もちろん、本人の責任ですから、必要ないとも思えますが、世間は狭いです。同じ業種で転職すれば、嫌でも関わる可能性が出てきます。『責任は取ってもらうことにはなるけど、気持ちよく退職してもらう』という心掛けがあれば、双方にメリットとなるのではないでしょうか」

Q.企業で進退伺を受けての退職の場合、会社都合退職になるのでしょうか、それとも自己都合退職になるのでしょうか。

小野さん「進退伺をすることと、会社都合の退職になるかは別の話です。そもそも、進退伺は大きなミスをしてしまった場合の責任の取り方の話であって、会社都合で退職させてもらう制度ではないからです。実際、懲戒が相当という場合に温情を狙って進退伺を行うというケースはよく聞きますが、処理としては自己都合退職扱いになっているケースを多く聞きます」

オトナンサー編集部

実は損している?

ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。

ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。

運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?

YOUの気持ち聞かせてよ!

いいね いいね
ムカムカ ムカムカ
悲しい 悲しい
ふ〜ん ふ〜ん
NEWS一覧へ
PeXポイントで賞品を当てよう!

ポイント ポイント獲得の流れ

ポイント獲得の流れ

ポイント ルール・注意事項

ポイント獲得!!