渋滞中「車間あけすぎじゃ…」→それは“渋滞吸収運転”かも パカパカブレーキ阻止するテクとは
- 乗りものニュース |
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渋滞中、やけに車間を空けている人を見かけることがあります。それは「渋滞を悪化させない」意志をもって、わざとゆっくり走っているのかもしれません。
渋滞の原因を断ち切る運転
高速道路などで渋滞中、妙に車間を空けている人を見かけることがあります。やや車速が上がっても一定の速度と車間をキープし、自車の前に車線移動されてもお構いなし。周囲の人からは、「せっかく流れ出したのに、ついていかずに渋滞を悪化させている」と見られる向きもあるようです。
しかし、実はこういったドライバーは意志を持って「渋滞吸収走行」を実践しているのかもしれません。
渋滞のイメージ(ドライブレコーダー)。
渋滞吸収運転とは、かんたんにいうと、自身もブレーキを踏まない、後続車にもブレーキを踏ませない運転です。そのための最も大切な要素が、車間を十分に空けることです。
渋滞は、1台のブレーキが後続車へ伝播して発生するといわれます。前車が仮に1秒停止すれば、それを見てブレーキを踏んだ後続車はさらに長い時間停止するので、車間が詰まっていれば、その間隔が短くなり、結果的に全体の速度が落ちて渋滞を悪化させる場合があります。
そこで、車間距離を確保することで、渋滞悪化を防いでいるのです。これについてはNEXCO東日本も「クッションの役割を果たし後続車にブレーキが伝わるのを防ぎます」と説明しており、「渋滞予防運転」4箇条の一つにも挙げています。
この車間距離を確保する運転について、都内の教習所のインストラクターも「視野を広くもつことができれば、何台も前方からブレーキが踏まれていることや、ブレーキの強さもわかる」と述べていました。車間が十分に確保されていれば、それに応じたスピードに調整でき、無駄なブレーキや加速も抑えられるとのこと。
一方で、車間を空けすぎれば割り込まれやすくなるうえ、過度なノロノロ走行は全体の速度を下げてしまうことにもなるといいます。それでも、割り込まれたくない一心で車間を詰めればブレーキを踏んでしまうことから、車間を空けていれば対処がしやすいと話していました。
このような渋滞吸収走行は、東京大学の西成活裕教授とJAF、警察庁が行った実験でも効果が証明されています。中央道上り線の渋滞に渋滞吸収走行を複数台投入したところ、渋滞吸収車の後から来たクルマは、車列の後方ほど速度が向上する結果が得られたとか。ほかにも、燃費アップや通過時間の短縮効果などが確認されています。
ちなみに、NEXCO東日本は「むやみな車線変更は、後続車にブレーキを踏ませ、渋滞を発生または悪化させる原因」だとして控えるよう呼びかけています。特に、混雑が始まると「少しでも早く進みたい」というドライバー心理が働き、追越車線へ移る車両が増えることで、ブレーキの伝播から渋滞の発生につながるとのこと。このため、混雑箇所こそ走行車線を走る「キープレフト」が必要だとも呼びかけています。
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