体がしびれる、言葉出ない…暑い日は「脳卒中」リスク増 すぐに実行すべき5つの対策&119番通報の目安とは
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脳卒中に関する119番通報の目安は?(画像はイメージ)
脳卒中は冬に起こりやすい病気といわれていますが、実は気温が高い時期も発症リスクが高まります。そこで、脳卒中の予防に必要な対策や、発症リスクを高めるNG行為、119番通報の目安などについて、晃友相模原病院(相模原市緑区)の院長で、脳神経外科医の小澤仁さんに聞きました。
コーヒーや紅茶の飲み過ぎに注意
Q.暑い時期に脳卒中リスクを高めるNG行為について、教えてください。
小澤さん「日常生活での何気ない行動が、知らないうちに脳卒中のリスクを高めてしまいます。特に以下の7つのNG行動には注意が必要です」
・日中に水分をあまり取らない(喉が渇いてから飲む習慣)
・夜間、トイレを避けるために意図的に水分を控える
・エアコンの使用を我慢して、室内が高温になる
・アルコールを水分補給の代わりにしてしまう
・コーヒーや紅茶などのカフェイン飲料に偏った水分補給
・暑い時間帯に急激な運動を行う
・高血圧の薬を自己判断で中断してしまう
これらの行動が度重なることで体に負担をかけ、脳卒中のリスクを高める要因となります。特に注意が必要なのが、アルコールによる水分補給の代替です。アルコールには強い利尿作用があり、飲めば飲むほど体内の水分は失われていきます。その結果、脱水が進み、血液が濃縮されることで、脳梗塞のリスクが高まります。
一方で、コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲料にも利尿作用はありますが、日常的な摂取量であれば大きな問題になることは少ないとされています。
ただし、これらに偏った水分補給では十分とは言えず、暑い環境では注意が必要です。
また、カフェインには血圧を一時的に上昇させる作用もあるため、高血圧のある方は摂取量や摂取タイミングに気をつけることが望ましいです。
夏場の水分補給は、水や電解質を含む飲料を基本としましょう。アルコールは利尿作用により体内の水分をむしろ失わせるため、水分補給にはなりません。カフェイン飲料も同様に利尿作用があるため、これらに頼った水分補給は脱水を助長するリスクがあることを覚えておきましょう。
「自分は大丈夫」という過信も見逃せないリスクの一つです。こうした行動が積み重なることで、脱水や血圧の変動、自律神経の乱れが引き起こされ、脳卒中の発症リスクは気付かないうちに高まっていきます。
Q.夏の脳卒中を防ぐための対策について、教えてください。
小澤さん「夏の脳卒中予防で最も大切なのは、『特別なことをすること』ではなく、『日常の基本を丁寧に守ること』です。次の対策を習慣として取り入れてください」
(1)小まめな水分補給を習慣にする
これは最も重要な対策です。「喉が渇く前に飲む」を意識してください。特に以下のタイミングでコップ1杯(約200ミリリットル)の水を習慣にするだけで、体の状態は大きく変わります。
・起床直後(就寝中の発汗で水分が失われているため)
・入浴の前後
・就寝前
・屋外活動の前、中、後
(2)室温を適切に保つ
「エアコンは体に悪い」と我慢する方がいますが、暑さを我慢すること自体が体への大きなストレスになります。室温は25~28度を目安に、無理のない環境を整えましょう。
ここで大切なのは、「エアコンの設定温度」ではなく、「実際の室温」を基準に考えることです。同じ設定温度でも、部屋の広さや日当たり、湿度によって体感温度は大きく変わります。そのため、温度計を活用しながら、室温が25~28度程度になるよう調整することが重要です。
また、就寝中に暑さを感じる場合は、除湿機能を併用したり、湿度を50%前後に保ったりすることも有効です。湿度が高い環境では汗が蒸発しにくく、体温調節がうまく働かなくなるため、室温だけでなく湿度にも目を向けることが大切です。
特に高齢の人は暑さを感じにくくなっている場合があるため、温度計を使って客観的に室温を確認することが重要です。周囲の人が環境を整える視点も大切です。
(3)血圧の自己管理を継続する
夏は血圧が下がりやすい季節ですが、自己判断で降圧薬を中断したり、血圧測定をやめてしまったりするのは危険です。血圧は日々変動するものであり、その変動を安定させることが脳卒中予防の基本です。毎朝決まった時間に測定し、数値を記録する習慣をつけましょう。「夏だから、下がっているはず」という思い込みは禁物です。
(4)睡眠環境を整える
寝苦しさによる睡眠不足は、自律神経の乱れを引き起こし、血圧・心拍の調整機能に悪影響を与えます。エアコンや扇風機を適切に使い、「しっかり眠れる環境」を意識的に整えましょう。就寝1~2時間前からエアコンをつけておくと、入眠しやすくなります。
(5)体調・気温に応じた活動量の調整
暑い時間帯、特に午前10時から午後2時の屋外活動や急激な運動は、脱水・血圧変動を招きます。「少し控える」という判断も、健康を守る重要な選択です。運動を行う場合は、早朝や夕方以降といった涼しい時間帯を選び、小まめな水分補給を忘れないようにしましょう。
脳卒中の前兆、症状を見逃さないために覚えておくべき「FAST」とは?
Q.脳卒中の前兆、症状を見逃さないためにはどうしたらよいのでしょうか。
小澤さん「どれほど予防策を講じても、脳卒中の発症を完全に防ぐことはできません。万が一発症した場合には、いかに早く気付き、対応できるかが、その後の後遺症の程度を大きく左右します。そのために覚えておきたいのが『FAST』というサインです」
・F(Face):顔
顔の片側が下がる、ゆがむ、しびれる
・A(Arm):腕
片腕に力が入らない、上げにくい
・S(Speech):言葉
言葉が出ない、ろれつが回らない、言っていることが理解できない
・T(Time):時間
上記の症状が一つでもあれば、すぐに119番通報を。時間が命を左右します。
なお、くも膜下出血の場合、突然の激しい頭痛が主なサインとなる場合があります。例えば、雷に打たれたような激しい頭痛「雷鳴頭痛」が特徴です。
【119番通報の目安】
FASTの症状が見られなくても、異変を感じたらすぐに119番通報してください。「少し様子を見よう」という判断は危険です。
症状が一時的に治まった場合でも、一過性脳虚血発作(TIA)の可能性があり、その後に本格的な脳卒中を発症するリスクが高いことが知られています。違和感を覚えた時点で、迷わず救急受診を検討することが重要です。
オトナンサー編集部
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