胃の痛みを我慢→医師「危険です」 30代が知っておくべき「胃潰瘍」のリスクと予防法 専門家が解説
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ストレスや喫煙、過度の飲酒などが原因で発症する「胃潰瘍」。池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院(東京都豊島区)院長で、消化器病専門医、総合内科専門医の柏木宏幸さんによると、特に30代の人は胃潰瘍に気を付けた方がよいということです。そこで、柏木さんに胃潰瘍を引き起こしやすい飲食物や生活習慣などについて聞きました。
胃潰瘍をできるだけ防ぐ対策とは
Q.30代の人は胃潰瘍に気を付けた方がよいとのことですが、そもそも胃潰瘍とはどのような病気なのでしょうか
柏木さん「胃潰瘍とは、胃の粘膜の下まで深く傷つく病気のことを指します。十二指腸で潰瘍を起こした場合は『十二指腸潰瘍』と言われ、これらは原因や症状が似ています。胃は強い酸性の胃酸を分泌していますが、通常は粘液が胃壁を保護しているため問題ありません。しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れると、胃酸によって胃壁や十二指腸の壁が傷つき、潰瘍となります。主な原因として、次のようなものが挙げられます」
(1)ヘリコバクターピロリ菌(H.ピロリ菌)感染
胃や十二指腸潰瘍の原因で最も多いのがピロリ菌の感染です。胃潰瘍の60〜70%がピロリ菌感染によるもので、ピロリ菌除菌の普及に伴い割合は減少傾向です。ピロリ菌は胃の粘膜にすみ着き、慢性的な炎症を引き起こしたり、胃を保護する粘液の分泌を減少させ、胃酸の影響を受けやすくしたりします。ピロリ菌を除菌することで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発率が劇的に低下することが証明されているため、ピロリ菌陽性で胃潰瘍になった人は除菌するのをすすめます。
(2)鎮痛薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の服薬
アスピリンやイブプロフェン、ロキソプロフェンなどの鎮痛薬を服用している人の場合、胃粘膜を保護するプロスタグランジンという物質の産生を抑制することで、胃潰瘍を発症する場合があります。ピロリ菌に感染している人が非ステロイド性抗炎症薬を服用している場合は、胃潰瘍のリスクが高くなります。
(3)その他
ストレス、喫煙、過度の飲酒、高齢、薬剤(ステロイド)、ウィルス感染(サイトメガロウイルス、胃梅毒)、胃潰瘍を合併しやすい病気(クローン病、ゾリンジャー・エリソン症候群、好酸球性胃腸症)の発症なども胃潰瘍の原因となります。
胃潰瘍の主な症状としては、みぞおちの痛みが最も多いですが、症状を感じにくい人もいます。また、上腹部の不快感や胸やけ、吐き気、食欲低下、黒色便(タール便)のほか、めまいやふらつき、動悸(どうき)といった貧血症状などの症状があります。
Q.胃潰瘍を引き起こしやすい飲食物や生活習慣について、教えてください
柏木さん「胃潰瘍を引き起こしやすい飲食物、生活習慣としては次のものが挙げられます」
(1)鎮痛薬(NSAIDs)の過度な使用
空腹時の服用、長期間の連用、複数の鎮痛剤の併用、高用量使用などはさらに潰瘍のリスクを高めます。
(2)ストレス
手術後や重篤な病気などの身体的ストレス、過度な精神的ストレスは交感神経が優位となり、胃酸分泌を増加させます。また、ストレスは胃粘膜の防御機能を低下(粘液の分泌を低下)させます。
(3)喫煙
胃粘膜の血流を低下させ、粘膜の防御力を弱めます。また、胃潰瘍の治りも遅らせることから胃潰瘍再発の原因にもなります。
(4)過度な飲酒
胃粘膜を直接刺激することで、粘膜のバリアー機能を低下させます。特に空腹時の飲酒、度数の高いアルコールは要注意です。
(5)運動不足や不規則な食生活のほか、塩分や香辛料、脂質、カフェイン、炭酸飲料、かんきつ類などの過剰な摂取
塩分や、トウガラシ、ワサビ、からしといった香辛料、揚げ物や脂身が多い肉類などの高脂質、カフェイン、炭酸飲料、レモンやグレープフルーツといったかんきつ類は胃酸の分泌を促進するため、空腹時の摂取には注意してください」
Q.胃潰瘍をできるだけ防ぐには、どのような対策が求められるのでしょうか?
柏木さん「まず、ピロリ菌感染者は除菌治療を受けることで、胃潰瘍の発症や再発リスクが劇的に低下します。そのため、一番大切なことはピロリ菌の検査を受け、陽性の場合は除菌治療を受けることです。特に、胃潰瘍や胃がん、ピロリ菌感染といった胃の病気の家族歴がある場合は、胃カメラやピロリ菌の検査を受けるのがよいでしょう。
ピロリ菌以外の対策としては、鎮痛薬の適正な使用や食生活の改善、ストレスをためないこと、禁煙、過度な飲酒を控えることです。過食や早食いを避け、よくかむことで食べ物の消化を助け、胃の負担が軽減されます。就寝の2時間前までには食事を済ませましょう。先述のように高脂質食や刺激の強い香辛料、過度のカフェイン、炭酸飲料の摂取は胃酸分泌を促すため、胃の調子が悪いときには控えましょう。
ストレス対策として十分な睡眠と適度な運動、リラックスできる時間をつくること、趣味や娯楽の時間を確保することも重要です。過労に気を付け、規則正しい生活や適度な休息を心掛けましょう。
鎮痛薬を使用する際、胃潰瘍の既往がある場合は医師に伝え、空腹時の服用を避け、食後に服用しましょう。長期使用が必要な場合や胃潰瘍のリスクがある人は、胃薬の併用や粘膜障害が生じにくいタイプの鎮痛薬への変更、または湿布などの外用薬の使用をおすすめします。
胃潰瘍は適切な治療により治癒しますが、放置すると出血のほか、臓器の壁に穴が開く穿孔(せんこう)などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
胃潰瘍を起こしたことがある人、胃の調子が悪い人は、定期的に内視鏡検査を受けましょう。また、胃の痛みを我慢してそのままにすることも、胃潰瘍の可能性があるため危険です。そのため、胃の不調や痛みが続く人は早めに消化器内科、胃腸内科の受診をおすすめします」
オトナンサー編集部
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