どうせ読むならポイント貯めない?

なぜ日本の「モペット」は無法者だらけになったのか じつは日本こそ危険で異常!? 「自転車×バイク=便利で安い」100年の歴史

3,358 YOU
  • 乗りものニュース
  • |

ヨーロッパでは「バイクとモペットの法的区分が全く別」

 ペダルとスロットルの両方を備える乗りもの「モペット」。今では電動のモペットが多数登場し、その乗り方が社会問題にもなっています。しかし、モペット自体は電動のものが登場するはるか昔から存在しました。

Large figure1 gallery18スロベニア製モペット、トモス(画像:ホノラリー)

 むしろ、主要バイクメーカーもモペットを開発してきたものの、日本にモペットは根付かなかったといえます。また、かつては欧州の輸入車が“オシャレなアイテム”としても受け入れられていたガソリンのモペットは、どこへ行ってしまったのでしょうか。

 欧州スクーター専門店「東京ヴェスパ」のメカニック・レストアラーであり、世界中のバイク事情に精通し欧州のモペットも多く触れてきた大橋あつしさんに、世界におけるモペットの歴史について聞きました。

「モペットの元祖は、イギリスのトライアンフが1900年代初頭に作ったものだと言われています。ベルギーのミネルバという自動車メーカーのエンジンを、トライアンフが制作した自転車に搭載したもので市販されたようです。

 ただ、当時は需要がありませんでした。第二次世界大戦後の1946年にイタリアのドゥカティがクッチョロという、自転車にエンジンを後付けしたモペットがヨーロッパ中で浸透し始めます。想像では、第二次世界大戦後は、アメリカ以外の国の人たちが貧しくなっちゃったから、モペットのような手軽で安く移動できる乗りものが流行ったんです。

 その後ソレックス、モトベカン、プジョーといったフランスのメーカーも続々とモペットを開発します。1950~1960年代にはモペットは全盛期を迎え、特にイタリアやフランスで定着しました」(大橋さん)

 大橋さんによれば、ヨーロッパでモペットが浸透した理由は、例えばイタリアの石畳が続く道路などを気軽に走れることのほか、日本とは違う免許制度・税制度が存在したことが大きいだろうとのこと。

「ヨーロッパでは、モーターサイクル(バイク)とモペットは完全に別モノ扱いです。モペット専用の免許制度があるのですが、これは一定条件を満たした人が申請さえすれば誰でも取れるような簡単なもの。そして税金も安く、バイクより誰でも手軽に乗ることができたんです。ヘルメット着用義務もありません。

 そして、バイクよりも安価で乗れるという利点がありました。例えば当時のベスパなどのスクーターを購入するのに対して、4分の1とか3分の1くらいの価格で売られていたので。これもモペットが広く親しまれた理由だと思います」(大橋さん)

日本のメーカーが熱心にモペットを開発するも、浸透に至らなかった理由

 一方、日本におけるモペットは、自転車の補助エンジンとして1947年に開発されたホンダA型、通称「パタパタ」を皮切りにスズキ、ブリジストンなども開発。本来は「Moped(モペッド)」という「トに濁音が入る」呼称が正しいのですが、スズキが1958年に発売したスズモペットなどの影響から、日本では「モペット」と濁音を抜いた誤った呼称が定着します。

 そして、ホンダはスーパーカブの大ヒット以降も、リトル・ホンダ(1966年)、ノビオ(1973年)、ピープル(1984年)とモペットを開発・市販し続けます。しかし世界のホンダの「モペットにかける執念」をもってしても、浸透に至らなかったのは何故でしょうか。

「まず大きいのは、先ほどの免許制度・税制度です。かつて 1952~1959年までは、日本国内の道交法でも14歳以上を対象とした『運転許可制度』が導入され、簡単な審査のみで公道で乗ることができました。

 当時の自転車には『荷車税』という課税制度があり、この税金は自転車と同額で支払う必要はありましたが、自賠責保険の強制加入もなし。

 これは、ヨーロッパに似た制度でしたが、1960年以降は自転車的な構造を持つモペットも、法的な扱いは原付バイクと同じになりました。免許も試験を受けて取らなくちゃいけませんし、モペットに乗る以上、他の原付バイクと同等の自賠責保険・任意保険にも加入しないといけません。

 確かに同時代の原付バイクと比べればモペットは安かったですが、それでも原付バイクの3分の2くらいの価格帯です。

 日本にはそんな事情があったので、スーパーカブや他の原付バイクのほうがはるかに合理的で、モペットに乗る必然性がなかったんです。それで根付かなかったのだと思います。

 ちなみに、かつてホンダはスーパーカブをフランスで売り始めようとした際、『フランスではペダルが付いたモペットスタイルじゃないと売れないよ』と言われたそうです。それで、『ペダル付きのカブ』の日本仕様車・欧州仕様車双方を生産した時期がありました。フランスで映画『個人授業』にも登場し、『伝説のモペット』として認知されています」(大橋さん)

ベスパ人気と合わせて一部で起こった「オシャレなモペットブーム」

 日本では1980年代後半から1990年代にかけて、イタリア製スクーター、ベスパの空前のブームが巻き起こります。同時期に大橋さんもベスパに出会い、メカニック・レストアラーとしてベスパに人生を賭けることにします。「東京ヴェスパ」を含む複数のベスパ専門店では、イタリアやスロベニアのモペットが合わせて販売され、コアな人気を博した時代もありました。

Large figure2 gallery191952年、ホンダから発売された自転車補助エンジン・カブ号F型を装備した自転車。まさにモペットの構造だった(画像:iStock)

「ベスパが流行り始めて、ベスパの製造元のピアジオ社のチャオ、シィ、グリロ、ブラボーといったモペットが輸入販売された時期がありました。別のベスパ専門店では、スロベニアのトモスというモペットも輸入されて、東京では結構あちこちで見かけました。

 ただ、これは『ヨーロッパの街中を走るみたいで、なんかオシャレだから』っていう理由で支持されただけで、ヨーロッパの人たちのように『バイクよりも安価で手軽だからモペットに乗る』といった理由とは違うと思います」(大橋さん)

実は日本の法規制がガラパゴス?

 前出のとおり、ここ10年ほど前から日本では「電動アシスト自転車なのか、モペットなのか」が曖昧な乗りものも登場しています。中には警察からの摘発や指導が入るモデルもあり、少々ややこしい事態にも至っています。

Large figure3 gallery20日本には電動アシスト自転車と原付バイクの間に「モペット枠」がない(画像:写真AC)

 電動アシスト自転車は、電動モーターが付いてはいるものの「ペダルを漕がなければ自走できない」もの。法的区分は「軽車両」となり、免許・ナンバー取得・ヘルメット着用・自賠責保険加入などは不要です。

 一方のモペットは、「ペダルを漕がなくても自走できる」ものを指し、ここまでの大橋さんの話の通り、原付バイクと同じ扱いになります。もちろん車道しか走ってはいけないわけですが、「電動アシスト自転車」として販売しながら、「別売りのアクセルスロットルを取り付ければ、漕がなくて走れる」といった違法カスタムモデルもあります。

「バイクで信号待ちをしているとき、歩道・車道お構い無しに、それもバイクより速いスピードで駆け抜ける電動ファットバイクを何台も見かけます。でもナンバーはないわけで、あれはもう電動アシスト自転車ではなく、完全に原付バイクの枠に入る乗りものですよね。『モデルのカテゴリー』としてはモペットになるかもしれないけど、電動ファットバイクは本当に危ないです。

 日本の道交法に疎い外国人旅行者、外国人労働者が電動ファットバイクに乗ることも多いです。言い換えれば、万一重大な事故を起こしても、自国に帰って逃げ得するケースがないとは言えないとも思います。さらに徹底して、摘発や指導をしてほしいと個人的には思います」(大橋さん)

 最後に大橋さんは日本の道交法区分に「モペット枠があるべきだ」としてこう結びました。

「現状の日本の道交法の区分では『原付バイク』『電動アシスト自転車』の間のものがないんです。本来はこの間に『モペット』枠を作り、それぞれの法的ルールの徹底や周知をすれば、さっき言った電動ファットバイクの明らかな違反とか、危険に感じるような場面もだいぶ軽減すると思います。

 バイクやクルマが多く走る先進国の中で『モペット枠がない国』って、僕が知る限りでは実は日本だけなんですよ。『モペット枠のある国』からの輸入車もこれだけ増えた以上、世界の状況を踏まえて、法制度を改正するなり、輸入を規制するなりしたほうが良いだろう、と個人的には思います」(大橋さん)

実は損している?

ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。

ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。

運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?

YOUの気持ち聞かせてよ!

いいね いいね
ムカムカ ムカムカ
悲しい 悲しい
ふ〜ん ふ〜ん
NEWS一覧へ

ポイント ポイント獲得の流れ

ポイント獲得の流れ

ポイント ルール・注意事項

ポイント獲得!!