「秋」に“気分”が落ち込む原因は? “メンタル不調”の改善法 心理カウンセラーが解説
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暑かった夏から少しずつ気温が落ち着き、過ごしやすい日も多くなる「秋」。でも、毎年、この時期になると、気分が落ち込みやすいと感じたことはありませんか。気分の落ち込みは、季節や環境などに左右されることはあるのでしょうか。心理カウンセラーの平井綾乃さんに聞きました。
季節の変わり目で自律神経に負担
Q.秋になると気分が落ち込みやすくなるのは、どのような原因があるのでしょうか。
平井さん「秋だけではありませんが、季節の変わり目の時期は、気温や天気などの環境がなかなか安定しませんよね。そういった時期は、体や自律神経にとって大きな負担がかかるため、気分の落ち込みに影響するといわれています。
また、秋という時期に限定するのなら、夏バテが長引いてしまっていることも考えられるかもしれません。『季節性うつ』といって、秋冬の時期に症状が大きく出るようになり、暖かい時期の春夏には和らぐという周期性のあるうつを患っている人もいらっしゃいます」
Q.秋に気分が落ち込みやすい人は、どのような対策が有効でしょうか。
平井さん「疲れを感じている人は、意識的に体を休めたり、過ごしやすい環境に整えてみたりするところから始めてみましょう。心身がリラックスできると自律神経の乱れが治まるので、好きな音楽を聞いたり、ゆったりお風呂につかったり、自分が落ち着けることをして過ごすのもいいですね。
また、秋はだんだんと過ごしやすくなる一方で日照時間が少なくなる季節ですから、朝日を見たり、散歩をしたりするのもお勧めです。日光を浴びることで、セロトニンという精神を安定させる物質が脳から分泌されるのですが、セロトニンが足りなくなることで抑うつ状態に陥りやすいといわれています」
Q.気分の落ち込みが長く続く場合、どのような対処をすべきですか。医療機関を受診した方が良いでしょうか。
平井さん「可能であれば、『近くにいる信頼できる人に話してみる』というのは、解決策の一つとして良いと思います。話すだけで解決しなくても、『自分の悩みや苦しい気持ちを相手と共有すると、自分の気持ちが整理されて落ち着いた』というケースも少なくありません。
ただし、気分の落ち込みが2週間から1カ月程度など、長期にわたっている場合は生活に支障をきたしている段階に入っています。その場合は、1人で抱え込まずに医療機関の受診を検討した方が良いかもしれません。
長期的な気分の落ち込みが続くと、食欲不振や睡眠の質の低下、継続的な疲労感など、さまざまな症状が現れる可能性があるため、決して無理をしないでください」
* * *
日々せわしなく過ごしている現代人は、どうしても自律神経が乱れやすい生活をしています。それに加え、気温や天気の変動が起こりやすい季節の変わり目は、体調を崩す人も多く心身には大きな負担がかかっています。
疲れてきたなと思ったらできるだけ休める時間をつくり、それでも不調が続くようであれば、我慢せずに医療機関の受診を検討しましょう。
オトナンサー編集部
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