ロシア最新鋭戦闘機「Su-57」墜落 ロシア初本格ステルス機の量産初号機 配備に影響か
- 乗りものニュース |

ロシア最新鋭ステルス戦闘機Su-57の量産初号機が、軍への引渡しを目前にして墜落しました。長年にわたる開発の末ようやく大規模量産へこぎつけた矢先の事故ですが、これも戦闘機開発にはつきものといえそうです。
墜落した機体は量産初号機
2019年12月23日(月)、ロシアの次世代ステルス戦闘機であるユナイテッドエアクラフト(スホーイ)社のSu-57が、極東ハバロフスク地方において墜落する事故が発生しました。パイロットは緊急脱出し救助されています。また墜落地も無人であったため、不幸中の幸いにもこの事故における死傷者はありませんでした。
ユナイテッドエアクラフト(スホーイ)Su-57戦闘機。写真はプロトタイプ2号機。強化型Izdeliye 30エンジンのテストベッドとしても使用されている(関 賢太郎撮影)。
12月27日(金)現在のところ、ロシア空軍、ユナイテッドエアクラフト社ともに事故の原因に関する公式発表を行っていません。一方、ロシア国営タス通信は関係者筋の情報として、飛行制御システムの異常によって高度8000mでコントロールが失われスピンに入り、高度2000mでパイロットが脱出した可能性について報じています。事故原因については今後の本格的な調査によって明らかにされるでしょう。
Su-57は2010(平成22)年1月29日に原型機が初飛行し、現在、開発が進行中のロシア初となる本格的な高ステルス性を備えた戦闘機であり、これまでの生産機数は11機となっています。そしてロシア空軍とユナイテッドエアクラフト社にとって、墜落した機体は11機のうち最も失いたくない重要な機体であったと思われます。
というのも、墜落機は最も新しい11機目の飛行可能なSu-57であり、同時にこの機体は「空軍へ引き渡される最初の量産型Su-57」であったためです。計画では2019年中にロシア空軍へ引き渡しが行われるはずでした。
もしスケジュールが予定通り進んでいたのであれば、量産初号機は空軍への納入に向けたユナイテッドエアクラフト社による飛行試験の最終段階にあったと推測され、まさに引き渡しを目前に控えた段階で墜落してしまったことを意味します。
量産予定だったSu-57戦闘機 今後への影響は?
Su-57の墜落が開発、配備計画に少なからず悪影響を及ぼすことはもはや避けようがありませんが、どの程度、遅延するかを現時点で正確に予測することは困難です。
Su-57が初飛行した2010年の段階では、2016年内に配備開始となるはずでした。そののち何度か計画は見直され、2018年の時点では少数機に限定し量産を始め、強化型エンジン「Izdeliye 30」の開発を待って2020年代半ば以降に本格的な量産を開始する方針が定められます。
しかし2019年5月に計画が再度、見直され、強化型エンジンを待たず2028年までに76機を空軍へ引き渡す発注が行われました(2023年生産分からエンジン換装)。この大規模量産発注分の最初の機体は2020年中に引き渡される予定であり、元々2020年中に引き渡し予定であった1機と合わせ、今回の損失分の補充は、事故原因の特定および修正が行われた上で、期せずして速やかに行われることになります。
Su-57は欠陥機か?
今回の墜落事故を受けて、大規模量産の前倒し自体が再び見直され、延期される可能性も十分に考えられますが、計画遅延や墜落の事実をもってSu-57が欠陥機であると断定することはできません。開発段階の墜落事故は全く珍しくなく、例えばユーロファイターやF-22、グリペン(2機)といった戦闘機も墜落しており、ロシア軍はじめ世界各国で運用されているSu-27戦闘機も同様でした。Su-57という航空機の開発自体が中止になることはほぼ考えられません。
開発計画が二転三転することは、もはや戦闘機開発の「恒例行事」です。たとえばF-35は開発中に1度も墜落せず、引渡し数が400機を超えた現在も機械的要因による墜落はわずか1件のみという、稀有な安全性が実証されている機種ですが、2006(平成18)年の初飛行以降、何度もスケジュール遅延に見舞われました。2015年に限定的な能力で実用化に達し、そして2018年にようやく初期開発段階が終了、完全な実働体制に入りました。
戦闘機開発において「産みの苦しみ」は避けられません。Su-57の熟成にはまだ長い時間が必要であることだけは確かだといえます。ロシアは今後Su-57をどのように扱っていくのか、事故が計画にどのような影響を与えるのか、その動向に注視していきたいところです。
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