【防災】リュックに「清潔な下着」を入れているか？　被災時「洗濯できない」「着替えられない」…防災アドバイザーが“必要枚数”も解説

　3月11日、「東日本大震災」の発生から14年になります。衣料品メーカーのワコール（京都市）が、「防災リュック」に関する調査を行った結果とともに、防災アドバイザーの南あきこさんの解説を紹介しています。

下着は「保湿性」＆「通気性」があるアイテムを

　同調査は2025年1月にインターネットで実施。20～50代の女性9650人と男性8621人、計1万8271人に「あなたは防災リュック（バッグ）を現在用意していますか？」と聞くと、「用意している」が35.6％、一方、「用意していない」が64.4％という結果でした。性別でみると、男性が32.5％、女性が38.5％と用意していて、女性の方が6.0ポイント高いことがわかったということです。

　さらに、防災リュックを用意し、中身を把握している人を対象に「防災リュック（バッグ）に下着は用意していますか？」と質問すると、「用意している」と回答したのは52.6％という結果だったということです。防災リュックを用意していても、下着の用意をしていない人が約半数いたこともわかったということです。

　南さんは、防災リュック（バッグ）を備えておくべき理由について「命を“どこで”守るかを考え、災害時に“今いる場所から移動する必要があるとき”に、移動した先で過ごすために必要なアイテムを持っていくものです」とコメント。

　続けて、「いざというときに慌ててしまい、準備に時間がかかって逃げ遅れたり、必要なものを忘れたりしないよう、事前に準備しておくことが大切です。お家に防災リュックを置いておくのはもちろん、移動中のカバンの中や車の中にも防災グッズを入れておくことをおすすめします」と話しています。

　防災用品として、下着を用意しておくメリットとして「清潔な下着を用意しておくのはとても大切です。災害が起こると、1週間もしくはそれ以上の間、『洗濯できない』『お風呂に入れない』『着替えられない』環境になります。せめて、地肌に直接触れるものは清潔に保ちたいですよね。それに、不潔な環境が続くと大きなストレスになりますし、感染症や皮膚病などを引き起こしてしまう恐れもあるため、清潔な下着は不可欠です」と説明しています。

　調査では、「用意している下着の種類」についても聞いています。回答で最も多かったのが「普段利用している下着を同じもの」で32.4％。続いて、「防災リュックに用意するために購入した下着」で27.0％、「古くなった下着」で26.0％という結果でした。女性500人に種類を複数回答で詳しく聞いた結果では「ショーツ」が84.6％、「肌着」が58.8％、「ブラジャー（ブラトップ、カップ付きインナーも含む）」が53.8％という結果でした。また、用意しているブラジャー（ブラトップ、カップ付きインナーも含む）の平均枚数は1.0枚。 種類別では、「ブラトップ、カップ付きインナー」を備えている人が最も多いことがわかったとのことです。

　一方、男性500人に種類を複数回答で詳しく聞いた結果では、「日常的に身につけているノーマルパンツ」が91.6％、「通年使用できる肌着」が78.2％、「冬用の肌着」が68.4％、「夏用の肌着」が67.2％、「使い捨てパンツ」が56.6％だったということです。

　そして、小学生以下の子どもを持つ女性115人、男性145人の計260人に子どもの下着を準備をしているか聞いたところ、用意しているが78.1％という結果だったということです。

　南さんによると、防災リュック（バッグ）に入れておくとよい女性用下着について「『カップ付きインナー』もしくは『ナイトブラ』、『ノーマルショーツ』『生理用ショーツ』、季節に適した『保湿性のあるインナー』や『通気性のよいインナー』があればいいでしょう。下着ではありませんが、『ナプキン』や『おりものシート』を準備しておくのも重要です。『ショーツ』の替えがなくても、シートを使えば清潔を保てます」と話しつつ「女性のバストは個人差が大きく、ほかのもので代用しづらいので、『ブラジャー』は必ず準備しておきましょう。肌着とブラを兼ねる『カップ付きインナー』や、寝るときも着用できる『ナイトブラ』を準備しておくといいでしょう」と語っています。

　枚数については「たとえば、避難時に身につけているものが『ナイトブラ』であれば、洗い替えに1枚、使い切りブラが2～3枚あると安心できます。身に着けているのが普通の『ブラジャー』なら、『ナイトブラ』を2枚に加えて使い捨てのブラが2～3枚あるといいでしょう」とアドバイス。

　男性が用意しておくべき下着については「『パンツ』を基本として、『保湿性のあるインナー』や『通気性のよいインナー』がおすすめです。『パンツ』はかさばらない薄地で、さらに『尿パッド』も備えておくと洗濯できないときに役立ちます」と話し、「『パンツ』は、ゆったりはけるものを2枚、さらに使い捨て用に2～3枚あると安心できるのではないでしょうか」とコメントしています。

　災害は、いつ起こるかわかりません。日頃から防災意識を高めておきましょうね。

オトナンサー編集部

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