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【50歳ひきこもり男性】脳梗塞で右半身まひ 「障害年金」請求できる? “保険料未納”の過去も

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国民年金保険料の未納が多過ぎると、障害年金が請求できない場合も(画像はイメージ)
国民年金保険料の未納が多過ぎると、障害年金が請求できない場合も(画像はイメージ)

 筆者のファイナンシャルプランナー・浜田裕也さんは、社会保険労務士の資格を持ち、病気や障害で就労が困難なひきこもりの人などを対象に、障害年金の請求を支援する活動も行っています。

 障害年金では、年金保険料の未納が多過ぎると、障害年金の請求権利が発生せず、請求ができないケースもあります。もし年金事務所で「あなたは年金保険料の未納が多過ぎて、障害年金の請求ができません」と言われてしまった人が、その後、別の障害を負ってしまった場合、その別の障害で障害年金を請求することはできるのでしょうか。浜田さんが、50代のひきこもりの男性とその母親の相談例を基に解説します。

「国民年金保険料」の未納期間が多く、障害基礎年金の請求が不可

 石崎守さん(50・仮名)は、25歳の頃からひきこもるようになりました。石崎さんの母親によると、不規則な生活を送り続けたためか、48歳のときに脳梗塞を発症し、病院に救急搬送されたということです。その結果、右半身にまひが残ってしまい、現在は同居する母親(84)の援助を受けながら生活をしています。

 守さんは外出が困難なため、代わりに母親が私の元に相談に訪れました。

 母親は、不安そうな表情を浮かべながら言いました。

「息子(守さん)が27歳の頃、年金事務所で相談したところ、『国民年金保険料の未納が多過ぎて、障害基礎年金の請求はできません』と言われてしまいました。息子はもう障害基礎年金をもらうことができないのでしょうか」

 守さんが脳梗塞を発症したのは、48歳の頃。それにもかかわらず、「27歳の頃に『障害基礎年金の請求ができない』と言われた」という内容の話が出てきたので、話がかみ合いません。

 ひょっとしたら、当時は右半身まひとは別の障害で相談をしたのではないかと考えた私は、母親から詳しく事情を伺いました。

 母親によると、守さんは20歳で大学を中退した後、両親と同居しながらアルバイトをしていたということです。そんな守さんが25歳になった頃、「外出先で誰かに監視されている」「自宅での会話が盗聴されている」という感覚を持つようになり、強い不安感からアルバイトを辞め、自室にこもるようになってしまったといいます。

 そのような言動を心配した母親は、自宅近くの精神科に守さんを連れていき、受診させました。

 医師からは「統合失調症の疑いがある」と診断され、治療を開始することになりましたが、症状は一進一退でなかなか改善しなかったそうです。

 そのため、治療開始から2年がたった頃、医師から「障害年金の請求をしてみたらどうか」とアドバイスを受けたので、母親は年金事務所へ相談に行きました。

 しかし、そこで思いもよらない話をされてしまいました。

 守さんは20歳から統合失調症で初めて精神科を受診するまでの全期間、国民年金保険料を支払っておらず、免除や猶予の手続きもしていない、いわゆる未納状態にあることが判明したのです。

 守さんは20歳当時、両親に対して「年金は自分で何とかするから口出しするな」と言ったそうで、両親は、守さんが国民年金保険料を自分で支払っているものだとばかり思っていました。

 守さんの国民年金保険料が未納だったことに驚いた母親は、すぐさま過去にさかのぼって国民年金保険料を支払いました。しかし、障害年金(障害基礎年金および障害厚生年金)の法律では、「その障害で初めて病院を受診した日の前日までに未納状態を解消しておかなければならない」ということになっています。

 この法律を「保険料の納付要件」といい、障害年金を請求するためには、次の原則または特例のいずれかを満たしている必要があります。

■保険料の納付要件 原則
初診日の前日において、初診日がある月の2カ月前までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険料の被保険者期間、共済組合の組合期間を含む)と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あること。

■保険料の納付要件 特例
初診日が2026年(令和8年)3月末日までにあるときは、次のすべての条件に該当すれば、納付要件を満たすものとする。

・初診日において65歳未満であること
・初診日の前日において、初診日がある月の2カ月前までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと

 ポイントは「初診日の前日において」のところ。その障害で初めて病院を受診した日の前日までに、未納状態を解消しておかなければなりません。

 守さんの場合、統合失調症で初めて病院を受診した後に未納状態を解消しているので、障害基礎年金の請求権利が過去にさかのぼって発生することはありません。また、今後、どんなに統合失調症が重くなっても、統合失調症で障害基礎年金を請求することはできません。

「もう息子は障害基礎年金が請求できない…」

 そのことに母親は大きなショックを受けてしまいました。

保険料の納付要件は障害ごとに判断される

 統合失調症で障害基礎年金を受給することができなかった守さんは、その後もひきこもりのような生活を続けていました。不規則な生活と不摂生のためか、先述のように、48歳のときに脳梗塞を発症し、病院に緊急搬送されました。

 緊急手術を受け一命を取り留めることはできましたが、右半身にまひが残ってしまいました。手術後からリハビリを続けてきましたが、現在も右半身をほとんど動かすことができないそうです。

 そこまで話を伺った私は、母親に守さんの国民年金保険料の支払い状況を確認しました。すると、守さんの国民年金保険料は、27歳当時に年金事務所で相談した後から現在まで、母親がしっかりと支払っているとのことでした。

 そこで私は母親に次のように言いました。

「障害基礎年金の受給を諦める必要はありません。守さんは脳梗塞による右半身まひで障害基礎年金を請求することができると思います」

「それは本当ですか! 以前、年金事務所で『障害基礎年金の請求はできない』と言われたのに、大丈夫なのでしょうか」

「ご心配はいりません。保険料の納付要件はその障害ごとに判断されるからです。脳梗塞による右半身まひでは、病院に緊急搬送された日(初診日)の前日において、初診日がある月の2カ月前までの直近1年間に保険料の未納期間がないと思われるからです。もちろん、守さんの年金記録は年金事務所できちんと調べてもらう必要がありますが、恐らく大丈夫でしょう」

 それを聞いた母親は、ほっとした表情を見せました。

 母親との面談後、守さんの同意を得た私は年金事務所で記録を調べてもらいました。すると脳梗塞で緊急搬送された日の前日において、保険料の納付要件を満たしていることが確認できました。

 つまり、守さんは右半身まひの障害で障害基礎年金を請求することができるということです。

 請求権利があることを確認した私は、速やかに障害基礎年金の請求に必要な書類をそろえ、請求を完了させました。

 請求から3カ月がたった頃、守さんの障害基礎年金の受給が認められたと母親から連絡がありました。

「おかげさまで障害基礎年金の受給が認められました。息子はもう二度と障害基礎年金を受給できないものと思って諦めていたので、本当に助かりました。このたびはどうもありがとうございました」

 母親は心からほっとした声でそう言いました。

社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也

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