クルマの「保管場所ステッカー」廃止決定 剥がしてOKに 役目はとっくの昔に終えていた?
- 乗りものニュース |
クルマのリアウインドウ付近に見られる、丸い「保管場所ステッカー」の廃止が決定。いま貼っている人も、剥がしてOKになります。そもそもなぜ、ステッカーを貼る必要があったのでしょうか。
あの後ろの丸いステッカーが廃止
四輪車の所有者が保管場所を定めていることを示す「保管場所ステッカー」の廃止期日が、2024年10月29日に閣議決定されました。現状ではリアウインドウに駐車場所と期限を記した丸形のステッカーを貼ることが義務化されていますが、これがなくなります。ほんの少しですが、自動車ユーザーの費用負担も減ります。
保管場所ステッカーのイメージ。本来は警察署名と届出受理番号が記載される(画像:PIXTA)。
バイクを除く自動車は車庫を定めて、道路を保管場所にしないようにしなければなりません。最寄りの警察署に保管場所を届け出るだけでなく、届出済みであることを示す「保管場所ステッカー」をリアウインドウの左下に掲示することが義務とされています。
引っ越しなどで保管場所を変更した場合は、ナンバープレートなどと同じように届出をやり直して、新しいステッカーを貼り直すのがルールです。ただし、保管場所ステッカーの未掲出に対する罰則などは定められていません。
この「保管場所標章」(保管場所ステッカー)に関する制度が、2025年4月1日に廃止されます。
2025年度以降に警察署へ届出をした車両は、保管場所ステッカーが交付されません。それ以前に届出をして貼付している場合は、ステッカーをはがしてもよいようになります。現行制度では、500~600円の標章交付手数料を車両の所有者が負担しなければなりませんでしたが、この費用が不要になります。
ただ、車庫法(自動車の保管場所の確保等に関する法律)で廃止されるのは標章に関する部分だけです。新年度以降も、いわゆる車庫証明書類を添えて最寄りの警察署に定めた保管場所を届け出る必要があります。
なぜ廃止? いまはもう不要
保管場所ステッカーには、届出受理番号と受付をした警察署名が記入されています。保管に疑いがある場合は、記載された警察署に番号を問い合わせることで、保管状況を確認することができます。
データ通信が確立していない昭和の時代には、警察無線や電話で問い合わせる手段しかなかったため、自動車にステッカーとして残しておくことでしか保管場所の手がかりがありませんでした。しかし、現在は自動車の保管場所情報に関するデータベースが整備され、ステッカーの記載状況に頼らなくても保管場所の確認が可能となっています。警察署の事務負担と所有者の手数料負担の両方のコスト削減を見込んで廃止が決まっていました。
ちなみに、道路に駐車することは、駐車禁止の規制がない限り違法ではありませんが、駐車規制がない区間でも、車庫代わりに保管場所として駐車することは違法です。
車庫証明の書類のイメージ(画像:写真AC)。
車庫法では「自動車が道路上の同一の場所に引き続き12時間以上駐車することとなるような行為」や「自動車が夜間(日没時から日出時までの時間)に、道路上の同一の場所に引き続き8時間以上駐車することとなるような行為」を禁じています。同法で保管場所を定めて、その届出内容を保管場所ステッカーとして車両に貼ることは、所有者の保管意識を高める効果を上げてきたとされてきました。
この根拠となる車庫法の改正案は今年5月17日に成立し、ステッカー廃止は2025年5月までに施行することになっていました。
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