親の年収450万で美大進学は無謀ですか? 高校から奨学金を利用するのはおかしいでしょうか
- マイナビウーマン |
子どもの教育費を貯めてはいるけれど、思った以上にお金がかかりそうで奨学金の利用を考えているというお母さんが、その是非についてFPに相談です。
「美大に進学したいと言い出した長女」
(画像はイメージです)
中2、小4の子どもがいます。長女が来年高校受験を控えていますが、第一志望が私立高校の美術科、大学も美大に行きたいと言っています。
しかし私立の美大となった場合、一般的な私立文系よりも学費が高く、学費以外にも画材などの教材費や作品制作に費用がかかると知りました。
大学進学を見据えた教育費の積み立てはしているものの、世帯年収450万円の我が家で子どもの進学希望を叶える場合、奨学金がないと高校・大学の学費などを賄えないと思います。はじめから奨学金で賄う計画はやめたほうがいいですか?
(Wさん/45歳)
奨学金を借りるのはやめたほうがいいのか?
学費を奨学金で賄うという選択肢を持つことは決して悪いことではありません。ただ、「高校から奨学金利用はいくらなんでも早いのでは」と心配するのも当然のことで、一般的に大学進学時の利用率が多い奨学金を高校進学時から利用することで「借りるお金」が多くなります。人生のどこかで誰かが返さなくてはいけません。
しかし、奨学金に関して一番避けたいのは「思いがけずお金が足りなくなってしまい、急遽奨学金を借りることにした」という状況です。相談者様のように前もって検討すること自体は褒められるべきことです。
一方で、お子様の教育費を考えるうえで、すでに決定している東京大学の授業料引き上げを皮切りに、今後は大学進学にかかる費用が増額される懸念もあることを念頭に置く必要があります。また、生活費などに影響する物価の上昇は続く一方で、賃上げはそのペースに追いついていません。今後も増税が続く可能性も踏まえ、見積もりは厳しく行いましょう。
(画像はイメージです)
労働者福祉中央協議会の「高等教育費や奨学金負担に関するアンケート(2024年6月実施)」によると日本学生支援機構の奨学金利用者における日本学生支援機構の奨学金利用者の借入総額平均は337.7万円。また、2019年の同調査では毎月の返済額は平均1万6,880円返済期間は平均14.7年です。初任給平均22万円として考えるとその負担は10%超で大きな負担であると言えます。
実際に、奨学金の返還を延滞したことのある人は、39歳以下で学生支援機構の奨学金を利用した人のうち15.7%に及びます。また、今後の返済に「不安を感じる」と答えた人は、全体の7割。また、返済が「苦しい」と感じている人がおおよそ半分を占めており、結婚や子育てに対して影響を感じている人は増え続けています。
このような現実がある以上、奨学金を借りることについては慎重にならざるを得ません。
奨学金を利用すべきかの判断のポイント
奨学金を借りるかどうか判断する際の検討ポイントは以下の通りです。
・誰が返すか、決まっているか
・親が返済する場合、返せる見込みがあるか
・子が返済する場合は「具体的に毎月いくらを何年間返し続けるのか」を理解し納得しているか
これらのポイントがすべてクリアになり、懸念点がなければ奨学金を利用する選択肢をとっても良いと判断します。
ちなみに、子に奨学金の説明をすることは難しいと感じることでしょう。学生にそういった事実を伝えたとしてもあまりピンとこないことが多いので、全てを伝えることは難しいかもしれませんが、子ども本人に関わることなので伝える必要があります。
参考までに奨学金利用について、子どもへの説明の仕方のポイントをまとめておきます。
①金銭的な現実を伝える: 家庭の経済状況と、高校・大学にかかる費用について、具体的な数字を示しながら説明。
②奨学金の仕組みを説明する: 奨学金が「借金」であることを明確に伝え、将来返済する必要があることを理解させましょう。同時に、教育を受けるための投資としての側面も説明します。
③返済の具体的イメージを共有する: 卒業後の月々の返済額や返済期間について、具体的な数字を示して説明します。これにより、将来の経済的負担について現実的なイメージを持ってもらえます。
最後にお伝えしたいのは、近年お金の相談をお受けしていると「大学卒業まで全額親が援助をするべきだ」という価値観が浸透しているように感じることが多いということです。まずはご夫婦で「子に対してどこまでやってあげるのが親の責務だと思っているのか」という価値観を確認していただきたいと思います。
また、そもそも子の意見を尊重すればするだけ良いとも限りません。まず想定するお子様の希望進路について、その選択が妥当なのかははじめにしっかり確認しましょう。つまり、「私立高校の美術科」と「公立普通科もしくは美術科」「普通科に進学し美術は習い事や部活動で専念する」などの選択肢の再検討です。
その際の注意点として、子どもが「公立に進学するよう仕向けられている」と感じると反発も想定されますので、担任の先生も交えながらあくまで冷静にメリットデメリットをもとに検討するとよいでしょう。第一志望以外の選択肢もお子さんの将来にとって有益である可能性は十分あります。
(画像はイメージです)
当たり前のことではありますが、限られたお金の中で子のやりたいことを100%叶えようとすれば、何かを妥協したり諦めたりすることも必要でしょう。しかしそれは決してネガティブなことではなく、ご自身やご家族がよりよい人生を歩むための取捨選択をしているということでもあり、これから実りある人生を歩んでいく上で非常に重要なことと言えます。
是非、あなたの人生のライフイベント・叶えたいことをできる限り書き出したうえで、それが実現できるかをプロに検証してもらいましょう。
お金に関しては「事実」を正しくとらえ、選択肢を合理的に考え判断していく必要があるのですが、人の心は常に「合理的」に動くものでもないので、自力で結論をだすのは非常に困難です。
繰り返しになりますが奨学金を借りるという選択肢を持つことで現時点での生活単価を下げずに済み精神的余裕につながったり、親御さんの老後資金を捻出できるなどのメリットが得られます。しかし、奨学金を利用していることによる心理的プレッシャーが付きまとってしまう方もいらっしゃいます。
このように自力で考えを進めていくと判断基準が多く、結論が出せず混乱してきてしまいそうです。
そんな時、「教育に対する価値観」を見つめ直し、ひとつひとつ一緒に判断していくためのお手伝いをしているのが「ファイナンシャルプランナー」です。
不安や迷いがあるときはまずは話を聞いてもらいましょう。きっと何かの糸口が見つかるはずでず。
【監修者】
井村 那奈
フィナンシャルプランナー
1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
参考:
労働者福祉中央協議会【高等教育費や奨学金負担に関するアンケート2024】
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